教師に必要なマイコレクション
今週のお題「わたしのコレクション」 (後半で紹介)
教師をする上で、必要なこと、それは子どもたちの心をつかむことです。心を掴んで学級経営をすることが必要不可欠です。
さまざまな経験をしている大人と違って、子どもたちの心は非常に純粋です。
「先生」と言う存在は、子どもたちにとって特別な存在。とても影響力があります。だからこそ、発する言葉や態度・行動などに責任を持ち、正しい情報を伝える必要があります。そして、その全てが、良くも悪くも影響してしまいます。
じゃあどうすべきか、教師自身が常に学習し、成長し続けることが必要なのではないでしょうか。
そこで、それらを正しく、使う術として、私のコレクション「影響力の武器」です。
影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか [ ロバート・B・チャルディーニ ]
影響力の武器 実践編[第二版] 「イエス!」を引き出す60の秘訣 [ ノア・J・ゴールドスタイン ]
影響力の武器 戦略編 小さな工夫が生み出す大きな効果 [ スティーブ・J.マーティン ]
PRE-SUASION -プリ・スエージョンー 影響力と説得のための革命的瞬間 [ ロバート・チャルディーニ ]
こうして子どもの心を掴みます。これで学級経営はうまくいくのではないでしょうか。
ここまで専門的なことをする教師はほぼいないでしょうが、これが正しく影響力を使う方法です。
サンプル数1
教師はどれほど経験豊富で、素晴らしく、万人に当てはまる成功人生なのでしょうか。
皆様を教えた先生方は、どうでしたか?経験だけで考えを押し付けられたり、させられたりしたことはありませんでしたか?
私は正しいことばかりをしていたわけでもありませんし、大した人間でもありません。実際に、自分より優れた人は大変多くいました。だからこそたくさん勉強し、いろんな情報を子どもたちと接していましたし、接します。
当たり前ですが、子どもたちをより良くしたい!良い人生を歩んでもらいたい!と言う熱意はあります。これはほとんどの先生方が持っている気持ちでしょう。(持っていなければ、教員などして欲しくないですが)
しかし、この熱意をよくない形で使っている気がします。
その先生の経験上、そのやり方でそれなりに勉強ができてきたと思います。また、一生懸命何かに取り組んで、大学まで進学したこと思います。さらには、日々、「先生」と言われ、おそらく慕われ、教員になった自分を素晴らしいものと思っていないでしょうか。
あなたより優れた人はたくさんいます。
にもかかわらず、自分が経験してきたことだけで、こうするのが良い!こうしなさい!、など考えもせず、押し付けていないでしょうか。勝手に人生をコントロールしていることにつながります。
おそらく子どもたちを思って言っているとは思いますが、それは単にあなたの人生ではそうであっただけで、それがその子どもたちに当てはまるとは限りません。ただのサンプル数1のデータです。エビデンスはありません。あなたの経験にどんな価値があるかなんて計れません。
教員は社会に出たら、と言いますが、教員の社会しか知りません。知ったかぶりもいいところですよね。笑
その熱意を押しつけにするのではなく、しっかり勉強し、科学的根拠に基づく、より正しいであろう情報から、子どもたちに伝えていただきたいですね。あくまで、伝えるわけです。そこら辺はコチラをご高覧ください。
似たことを過去に書いていました。笑 教師という驕り
子どもたちは操り人形
近年、「主体性」という言葉が、教育界では重要視されています。
平成29年に学習指導要領が改定され、通称アクティブ・ラーニングと言われる「主体的・対話的で深い学び」を行いましょう、と先10年間の教育の指針とされました。
しかし、これは教員にとっての都合の良い主体性になっているような気がします。
学習指導要領では、評価の基準も表記されており、一応学び方の想定があるわけです。それに合うよう教員は誘導し、評価するわけです。
その中で、「こう言えば先生は嬉しいはず。」と察した子どもが、素敵な発言をした場合はいかがでしょう。賢く優しい子は特にそうでしょう。
逆に、「その考えは違う。」と一見協調性がないように感じますが、本心を言っている場合はどうですか。(私は協調性がないのでこちらのタイプです。主体的に全く違うやり方などを考えて積極的に行っていました。笑)
となると評価されるのは前者の子どもでしょう。言い換えれば忖度しています。そうなると思い通りに動く生徒が評価の対象になるわけです。全ての子どもが本当にそうかと言われたらわかりません、というのが現状です。「主体性」とは難しい指標です。
話は変わりますが、式典や行事などで、無駄に礼を揃えたり、無駄に演技指導をしたり、これは必要でしょうか。見栄えを良くしたいと言った、教師や学校自身の評価を気にした指導になっているようです。そうなると、本当の生徒のため、にはなりません。
まずは、子どもたちにどこまでの形に仕上げたいか、などと聞いてみるのがベターだと思いますが、多くの先生はこれをしていません。自分の勝手な、「綺麗に仕上げて達成かを養いたい!」という思い込みから来ているものです。特に酷いのは、それによって昼休みや放課後を搾取する場合なんかですよね、、、そして、その中で、自分の思う通りに動く生徒がやっぱり評価されます。
残酷な世界ですね…
もっと子どもの気持ちをしっかり聞いてあげて、共感し共作する必要があると思います。
ここら辺は前に書いた、自己コントロール感が関連してくるでしょう。そちらも併せて読んでみてください。自己コントロール感を与えない
宿題は出すが、学習方法はほったらかし
みなさんは、学校で学習方法について教わったことはありますか?
学習方法といっても、授業の受け方やノートの取り方ではありません。より効率よく学習する方法、より記憶に残しやすい方法などです。
多くの方が教わったことがないのではないでしょうか。仮に教わっていたとしても、必ずしも効率が良いとは言えない、その先生独自の学習方法であることがほとんどです。
宿題は一方的に出すだけで、どのようにしたら効率よく学ぶことができ、活用できるのか。これは全く教えていません。
なんなら、宿題よりも学習方法の方が重要なはずです。一生使える方法ですから。
もっと先生方も科学的根拠に基づいて、責任を持って指導してもらいたいものです。
そこら辺はこちらがおススメです。学習法の本はたくさん読んでいるつもりですが、経験則のものが多く科学的根拠に基づくものは少なめですね(^^;
使える脳の鍛え方 成功する学習の科学 [ ピーター・ブラウン ]
最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法 [ メンタリストDaiGo ]
今後様々な学習方法を更新していきます!
マルチタスクを強いるヤバさ
マルチタスクと言う言葉をご存知でしょうか。
簡単に言うと、いくつもの作業を同時並行して行うことを指します。特に、ありとあらゆるニュースに溢れ、注意散漫なこの現代では、かなりの人が、かなりの場面で、マルチタスクで生活しています。
それにより、仕事の生産性が下がったり、記憶力が下がったり、メンタルを病んだり、時間感覚が狂ったり、人間関係を悪くしたりしているわけです。(1)(2)(3)
シングルタスクを幼少期からどれだけ実践できているかどうかが、その子の将来の成功の鍵と言っても過言ではないでしょう。
進化心理学的には、ある程度注意散漫でないと生き延びられなかった(野生動物に襲われる心配など)わけですが、現代ではほぼ必要ないと言って良いと思います。
そんな害になることを、学校の先生が普通に子どもたちにしているわけです。
例えば…
子どもたちが板書しているときに説明したり、
考えている時間に説明したり、
生徒にとってはマルチタスクで、これでは学習効果は望めません。また、教師自身も、板書しながら説明し、マルチタスクが当たり前になっています。
板書をそのままノートに写すことの是非は置いといて…
生徒にとって、書く場面、聞く場面、考える場面、話し合う場面、などとしっかり区別をつけるべきです。それも交互に織り交ぜられるのではなく、授業のうちの最初の○分は書く、その後○分は考える、中間○分は話し合う、残りの○分は聞く、のように、種類ごとにはっきり分離し、その時間を最初に伝えておくのが理想だと思います。この方がよほど効率が高く、シングルタスクとして子どもたちも学びやすいでしょう。
子どもたちの学びを保障するはずが、教師自身の手によって、妨げられている現状のなんと多いこと、、、非常に残念です。
もちろん、考えられて行っている先生もいるとは思います。
そこら辺、参考になるのがこちら↓
SINGLE TASK 一点集中術 「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる [ デボラ・ザック ]
また、今現在に集中するという点では、最近注目を集めている、マインドフルネスの指導がかなり効果的です。是非とも教育現場に取り入れてもらいたいものです。(後日解説します。)
住む場所が子どもの将来を左右する
今週のお題「引っ越し」
そろそろ年度が変わる、引っ越しのシーズンです。
今回は、将来を担う子どもたちのための引っ越しについてお話しします。どんなところの学校に通わせたら良いのでしょうか。
皆様は、何を求めて現在の場所に住んでいらっしゃいますか。便利な生活が良いから都会に、自然豊かな田舎に、何かと楽な郊外に、などさまざまな考えがあるかと思います。ちなみに私はクソ田舎出身ですので、田舎にいる方が心が落ち着きます(。-∀-)
実は住む場所はその人や家族に大きな影響を与えます。ではどんな影響があるのでしょうか。
<田舎(自然)>
自然は体にいいよ、なんて話は有名なことですよね。無論事実でございます。メンタルが安定する、睡眠の質が上がる、あらゆる病気の発症率が下がる、長生きするなど健康効果がたくさん確認されています。そのほかにも、社会的スキルが高まったり、感情が安定したり、性格が良くなったり、脳の認知機能が高まったり、犯罪率も低かったり、結果幸福度が上がったりなど、良いこと尽くしなんですね。ここら辺は、有名かつ信頼度の高い研究で、めっちゃ効果が高いよ!って示されています(1)。
ここら辺はこの本がオススメです。
NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる 最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方 [ フローレンス・ウィリアムズ ]
実際子どもだとどうなのかというと、ほぼ同じ効果が得られるみたいですね(2)(3)(田舎というより自然の中ですが)。精神疾患率半分だし、頭は良くなるし、すごい!
メンタル面はもちろんのこと、自然の中で遊ぶことで、バランス感覚や筋力などの身体能力を身につけることができ、自然の中でルールのない自由遊びを他の子どもとすることで、コミニュケーション能力や創造性などが鍛えられるという流れみたいですね。
いきなり都会には勝ち目がなさそうな状況になってしまいました…
実際のところどうなのでしょう?
<都会>
いきなりですが、都会で生活すると太るよ(4)っていう話があります。それは、自然や公園が少ないことや、ファストフード等の不健康食品へのアクセスが良いことや、無意識に周囲の人の食習慣に近づいてしまうとあるんですね。
実際、データとして、人工照明で太る(5)とか、騒音で太る(6)とか、大気汚染はメンタルを病む(7)とか、都会にありがちなことはかなり健康に悪いみたいです。想像はしやすいかと思います。
子どもを対象としているわけではありませんが、これはやめておいた方が良さそうですね。
その他では…
▶︎ 子どもに良い教育を受けさせてあげられるかどうか、というのはすごく大事なことで、経済的なことがものを言うわけです。と言うことでこちらを紹介します。
年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学 [ エンリコ・モレッティ ]
▶︎ フラミンガム研究と言って、1984年から人間関係が、どう心臓疾患に影響を与えるのかを調査した町があるんですね。これによると、
近所の友人 → 隣人 → 薄い友人 → 相手は自分を友人と思っている人 → 近所の親戚 → 同居の配偶者 → 離れた親戚 → 別居の配偶者 → 同じ区域の隣人 → 遠い場所の友人
の順で、健康度や幸福度が高いそうです。ご近所付き合いは大事です。
▶︎ あと、貧しい人の近くに引っ越すと太る(8)なんてのもあるので注意が必要ですね(^^;
まとめると、自然の中に引っ越しするのが一番!となります。つまり、田舎ですね。田舎でなくても、生活の便利さもある程度必要かなと思いますので、自然豊かな郊外くらいが良いのかもしれませんね。
さらに言うと、近所にお子さんの親友がいる状況は最強です。
ということで、自然豊かな田舎の学校に転校させましょう!(ちなみに田舎の学校出身の方が非行にはしることも少ないと先程のnature fixにも紹介されていました)
いずれにせよ、高層マンションだらけの都会や住宅密集地は避けた方が良さそうです。都会の学校はやめましょう。笑
お子さんがいる家庭は、そう簡単に引っ越しできるものでもないと思いますが、子どもの将来を願うなら、安い投資だと思います。
ただ、引っ越しのしすぎは子どもにとって大ダメージですので(9)注意が必要です。さすがに葛飾北斎やベートーベンほど引っ越しする人はいないと思いますが(^^;
自己コントロール感を与えない
自己コントロール感とは、自分の行動を、自分で色々と選んだり決めたりすることを言います。
これが、「幸福度を示す指標の中では一番大切だ(1)」みたいな話もあるくらい、大切な感覚なんですね。実際日本で行われた研究でも、幸せに影響している要因として、1位から、健康、人間関係、自己コントロール感となったわけです(2)。子どもの成功や幸せを願う立場にある人にとっては、自己コントロール感を子どもたちに与えることが、非常に大切になってくるわけですね。
みなさんご存じ、報酬に関するモチベーションの話をします。これは流石にほとんどの先生が知っていると思いますが、、、
人間の動機づけには2種類あって、罰やご褒美といった外部からの報酬を理由に行動することを「外発的動機付け」と言うのに対し、自身の自信や達成感を求めて行動することを「内発的動機付け」と言います。そして、内発的動機付けで行動する方が、高いパフォーマンスを発揮し、高い学習効果を得られる傾向にあります。
ダニエル・ピンクさんの著書も有名ですよね。
モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか (講談社+α文庫) [文庫] ダニエル・ピンク; 大前 研一
また、心理学者のデシとライアンが自己決定理論という、人がどのようにして内発的動機付けまでに至るかという理論を1985年に提唱しました。
それによると、特に3つの基本的欲求を満たすことが、内発的動機付けの基本で、幸せへの道だとしていて、
自己効力感(自分には能力があるという感覚)
人間関係(様々な人とつながっているという安心感)
自律性(自己コントロール感)
となっているわけです。
結構年数が経っていますが、今でも自分で何かを選択し、決め、行動することに幸せを感じることは変わっていないようですね。
事実、自己コントロール感の高さは幸福度だけではなく、健康的な体型を維持していたり、長寿だったり、良い職に就いていたり、高収入だったり、メンタルも安定していたり、というデータはたくさん出ています。こりゃ人生勝ち組ですわ。笑
そこら辺は、ポールタフさんの著書でも述べられていました。
成功する子失敗する子 何が「その後の人生」を決めるのか/ポール・タフ/高山真由美
前置きが長くなりました。どれだけ自己コントロール感が大切かというのはわかっていただけたかと思います。
では、実際の教育現場ではどうでしょう?
・受ける教科は決められている(まぁこれは仕方ない)
・宿題はさせられる
・係などもさせられる
・休み時間の遊びを強制される
など、もっと酷いものでは、
・休み時間自主的に学習をしていたのに、「宿題は家でするもの。」といわれる。
・授業の先の内容を学習していて、「それは習っていません。」と言われ×にされる。
・遊びなどでも、正式ルールに則って、細かいルールまで決められる。
などなど、どれも聞いたことがある話ですよね。
過去に振り返ってみてわかると思いますが、子ども時代、自分で選ぶ余地がなかったことは、想像に易いと思います。
実際に親から「勉強しなさい!」と言われて喜んでするお子さんはいないはずです。親御さんの心配の気持ちはわかりますが、逆効果ですよね(^^;
学校でも教師の操り人形が如く、行動させられています。かわいそうにも程があります。
仕方のない部分はありますが、これをどのようにしたら良いのか、数回にわたって解説していこうと思っています。